新型コロナウイルスの感染拡大でマスクの品薄が続く中、地域の伝統工芸を取り入れた布製マスクの売れ行きが好調だ。障害者による生産を支援する自治体もあり、地域活性化に一役買っている。
 名古屋市では伝統工芸の絞り染め「有松・鳴海絞」のマスクが人気。2~3年前から手製マスクを生産する「有松しぼり久田」では、2月から売れ行きが伸び始め、製作者を1人から3人に増員した。従業員は「1日20~30枚を店頭販売しているがすぐに完売。供給が追い付かない」と話す。
 河村たかし市長も記者会見で色鮮やかな有松・鳴海絞のマスクを着用。「気分が上がる」と発言し、インターネットなどで話題となっている。
 福岡県久留米市の織物「久留米織」から着想を得た「侍マスク」も人気だ。衣服や雑貨を扱う「ロォーリング社」(同県大刀洗町)が極細木綿と絣(かすり)の糸を絡ませ、柔らかい風合いに仕立てた。眼鏡が曇らないように頬骨にフィットする設計で、口紅も付きにくい。
 2月中旬の販売開始以降、1000枚以上を販売。實藤俊彦社長は「市販のマスクと違って鼻や耳が痛くなりにくいと評判だ」と話す。
 国産ジーンズ発祥の地として知られる岡山県。総社市では3月中旬、障害者が働く市内11事業所で生産されるデニム製マスクの販売支援などを始めた。障害者就労支援事業として、購入予約を代行して受け付けている。
 価格は、市役所窓口なら1枚400円、ネット通販なら1000円(送料込み)。既に11万枚以上の注文が殺到し、これまで1200枚が販売された。市福祉課の担当者は「障害者雇用で事業所の製品が評価されることは、障害者の生活の質の向上につながる」と話している。 (C)時事通信社