新型コロナウイルスの感染が広がる中、災害が発生した際の対応が課題となっている。密閉、密集、密接の「3密」の回避が難しい避難所でどう感染を防ぐか、自治体の担当者が頭を悩ませている。
 北海道地震で大規模な土砂崩れが起きた厚真町は3月10日、大雨と融雪で土砂災害の危険性があるとして、2カ所の避難所を開いた。受付でマスクを配り、保健師が検温と問診を実施し、異常のある人に移ってもらう別室も用意したという。
 当日の避難者は11人にとどまり混乱はなかったが、町の担当者は「人数が多ければ別室での対応も難しく、配れるほどのマスクもない」と話した。
 3月13日には石川県輪島市で震度5強の地震が起きた。同市の担当者は「能登半島地震のような規模であれば、密集は避けられない。できるだけ分散させられるよう、避難所の数を増やすことも考えなければならない」と語った。
 「災害は待ってくれない」。熊本地震で震度7を記録した熊本県益城町も対応を急ぐ。避難所のレイアウトを練り直し、1人当たりのスペースを2平方メートルから4平方メートルに広げるほか、2メートルの通路幅を確保するよう検討を進めている。担当者は「目標人数分のスペースを確保できておらず、課題は山積みだ」と話した。
 熊本地震や西日本豪雨などで避難所支援に携わった岩手医科大の桜井滋教授は「新型コロナに限らず病原菌は無数にあり、シンプルな対策を完璧にやることが大事だ」として手洗いの徹底を訴える。その上で「避難所の感染症対策を自治体に任せるのは難しい」とし、感染制御の専門家チームが避難所を巡回し、柔軟に支援する体制をつくる必要があると指摘した。 (C)時事通信社