新型コロナウイルスの感染爆発を食い止めるため、政府は16日、私権制限を含む緊急事態宣言について、7都府県だった対象地域を全国に拡大した。期間は5月6日まで。安倍晋三首相は首相官邸で開かれた政府対策本部の会議で「ゴールデンウイークの人の移動を最小化する」と決定理由を説明した。17日に記者会見し、国民に理解と協力を呼び掛ける。
 首相は会議で、北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都の6道府県で新型コロナのまん延が進み、他の県でも人の移動による感染拡大が見られると指摘。「最低7割、極力8割の接触削減を何としても実現する」と述べ、不要不急の帰省や旅行を絶対に避けるよう呼び掛けた。都道府県知事に対し、観光施設の入場制限などの検討も促した。
 政府は6道府県に、当初から対象とした埼玉、千葉、東京、神奈川、大阪、兵庫、福岡の7都府県を加えた13都道府県を、感染拡大防止の取り組みを重点的に進める「特定警戒都道府県」に指定した。
 会議に先立って、感染症専門家らでつくる基本的対処方針等諮問委員会は政府の方針を了承。西村康稔経済再生担当相は衆参両院の議院運営委員会で対象地域拡大を事前報告した。
 政府は今月7日、7都府県に緊急事態宣言を発令。しかし、他の自治体でも感染は深刻で、追加指定を求める動きが出ていた。政府内には経済的打撃が大きいとして全国への拡大には慎重論があったが、感染爆発への危機感から首相が決断した。
 2020年度補正予算案を国会提出直前に組み替えるという異例の対応に踏み切るに当たり、「異例な状況」を演出する狙いもあったとみられる。自民党の森山裕国対委員長は「地域が拡大されると、補正予算そのものも変わってくる」と記者団に語った。 (C)時事通信社