新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言の対象が全国に拡大された。感染症や医療の専門家は「地方でも感染者が急増している」と政府の判断を評価しつつ、各地の状況に応じた措置が必要だと訴えた。
 富山県衛生研究所の大石和徳所長は「地方でも感染者が急増している。いま全国で対策を進めないと、流行が止まらない」として、対象拡大を評価した。ただ、感染の状況は地域によって異なるため、外出自粛や休業要請などの中から、それぞれの知事が必要な措置を決めるべきだとした。
 大石所長は、宣言後も東京などで通勤が十分に減っていないと指摘。「地方は都市部以上にテレワークが進んでいない。事業者が従業員の通勤をやめられるよう、実効性のある対策を政治決断してほしい」と求めた。
 和田耕治・国際医療福祉大教授(公衆衛生学)は「宣言を全国に拡大する狙いは、都道府県間の移動の停止と患者を全国で一度しっかりと減少させることだろう」と分析した。一方で対象を拡大するタイミングが急だとし、「拡大するのなら、もう少し他の道府県にも準備を呼び掛けてからの方がよかった」と語った。
 現在学校が開いている地域では、「生活圏でこれまでの1~2週間の感染者が少ないなら、対策を重ねることで小中学校は継続できる可能性がある」という。
 今後の見通しについて、大石所長は、現在の対策では、宣言期間の5月6日までに流行が収束する可能性が高いとは言えないと指摘。仮に収束しても再流行の恐れは続くという。和田教授は「政府などには、中長期の展望を持って対策を考えていただきたい」と注文を付けた。 (C)時事通信社