新型コロナウイルスの影響で品薄が続くマスクを、ホームレスの支援団体や介護施設に寄付する動きが広がっている。「在宅勤務でマスクを使わない」「より必要な所へ行き渡ってほしい」など寄付する理由はさまざま。政府から届く布マスクを贈る動きもあり、受け取った側は「支援に感謝したい」と話している。
 NPO法人「ホームレス支援全国ネットワーク」(北九州市)には先週から、「政府の布マスクを寄付したい」などの問い合わせが1日に10~20件ほど相次いだ。きっかけはツイッターでの呼び掛け。「布マスクが不要な人はホームレス支援団体に送ろう」とする内容は2万回以上リツイートされた。
 日本郵便を通じて全戸配布される布マスクだが、住所を持たないホームレスらには届かない。同団体はホームページ上に送り先の住所を掲載しており、事務局の江田初穂さんは「反響が大きくて驚いている。届いたマスクはありがたく使わせていただく」と謝意を示した。
 介護職のマッチングサービスを手掛けるプラスロボ(東京都港区)は7日、介護施設へのマスク寄付を募る特設サイトを開設。16日時点で1万9000枚以上の申請があり、既に3000枚超を約20カ所の施設に寄贈した。
 中には手作りのマスクを寄付する人もおり、同社の鈴木亮平代表取締役(27)は「外出自粛の中、自分にもできることをしたいという気持ちが寄付につながっているのでは」と指摘する。
 目黒区の会社員佐藤亮介さん(26)は同社に使い捨てマスク5枚を寄付。「在宅勤務でマスクを使わなくなった。少しだけだが、余らせるくらいなら必要な所に届いてほしい」と話す。
 同社からマスク約100枚を受け取った秋田県能代市の介護事業所「あきた創生マネジメント」の阿波野聖一代表取締役(43)は「本当にうれしい。介護業界に応援の目が向けられていると感じ、励みになっている」と語った。 (C)時事通信社