新型コロナウイルスの感染爆発を止めるため、政府が16日、緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大すると決めたことを受け、新たに対象となる自治体の住民や事業者からは対応の遅さへの批判や、休業要請を懸念する声などが聞こえた。
 追加指定を要請していた京都府。祇園(京都市)の駄菓子店で働く40代の男性従業員は「対応が遅い。もっと早くしてほしかった」とあきれ顔。和菓子店を営む男性(49)は休業要請を懸念し、「少しだが客も来ており、地方発送の注文もある。店を閉めたらそうした売り上げもなくなる」と心配そうに話した。
 同じく追加を求めていた愛知県は独自の「緊急事態宣言」を出していた。1歳と3歳の息子を育てる名古屋市西区の女性(30)は、「上の子が通う保育園の卒園生に感染者が出て、預けるのをやめた。市内でクラスター(感染者集団)も発生しており、最初から指定してほしかった」と批判した。
 一方、感染者が少ない地域の住民には戸惑いもある。全国で唯一、感染者ゼロの岩手県。盛岡市の小学校の副校長は「1人出れば感染が拡大する可能性がある。人の命を最優先しなければならず、やむを得ない判断だと思う」と受け止めた。
 「知事の指示に従うしかない」と話すのは徳島県北部で飲食店を営む50代女性。「他県から来る観光客に不安を感じる人も多い。従業員の生活もあり営業を続けているが、休業している店も多い。どうしたらいいのか」とこぼした。
 鳥取市の居酒屋「かくれんぼ」の男性店主(43)は、休業要請について「補償があれば自粛するが、鳥取にそんなことが可能なのか」と疑問を呈した。 (C)時事通信社