緊急性が高く、命に関わる重篤な患者を受け入れる3次救急医療を担う大阪府内の4病院が、救急患者の受け入れを停止したり、一部制限したりしていることが17日、分かった。新型コロナウイルスに感染した重症患者の治療を優先するためだが、交通事故などで一刻を争う重篤な患者が救えなくなる可能性もある。専門学会は「救急医療の崩壊が始まっている」と危機感を強めている。
 3次救急医療機関は、心肺停止や脳卒中など重篤な患者を24時間体制で受け入れる「救急医療の最後のとりで」。全国に294カ所あり、府内には8ブロックに計16病院が設置されている。
 大阪急性期・総合医療センター(865床)は13日から重篤な患者の受け入れを停止し、15日からは入院が見込まれる患者も一部制限。手足の切断や全身やけどなどを治療する「高度救命救急センター」にも指定されているが、担当者は「苦渋の選択。コロナの重症者が増え続ける中、通常の救急体制を維持するのは難しい」と話した。
 毎日30人以上が救急搬送される大阪市立総合医療センター(1063床)も、7日から救急外来を停止。泉佐野市のりんくう総合医療センター(388床)は6日から停止し、堺市立総合医療センター(487床)は9日から軽症者の救急診療を休止した。
 いずれの病院も新型コロナの院内感染は発生していない。
 日本救急医学会の嶋津岳士代表理事は「通常の体制を維持できず、救急医療の崩壊は既に始まっている」と指摘。「今後さらなる悪化が見込まれ、市民は感染拡大防止に協力し、医療機関にかかる負荷を減らしてほしい」と話した。 (C)時事通信社