【ワシントン時事】トランプ米大統領は16日に発表した新型コロナウイルスに関するガイドライン(指針)で、経済活動の制限を段階的に解除する青写真を描いた。ただ、制限解除に不可欠とされる大量の検査実施について詳細な説明がなく、責任を負う州知事からは不満が出ている。
 「われわれは中国から輸入した検査の資機材を、開封するやいなや老人ホームへ送っている」。西部ワシントン州のインズリー知事は16日、トランプ氏との電話会議で、検査態勢が追い付いていない窮状を訴えた。
 大規模な検査は、外出禁止などの措置を解いて日常に戻る「唯一の方法」(専門家)とされる。感染爆発を防ぐには、感染者をいち早く見つけ、その接触者を探し、隔離措置を取ってウイルスを封じ込めることが欠かせないためだ。
 しかし、州の力では検査に用いる資機材やスタッフの確保に限りがある。経済活動再開には、現在全米で1日12万回といわれる検査の能力を、数百万に増やす必要があるという試算もある。
 トランプ氏は16日の会見で「検査実施態勢を強化し続ける」と強調した。しかし、米メディアによると、政府は資機材の調達で州を支援するものの、どこでどの程度検査を行うかを決めて実行するのは、州当局の責任。ニューヨーク州のクオモ知事は16日、「政府が検査に積極的に関わろうとしないのは知っているが、協力が欠かせないのは明白な現実だ」と不満をぶつけた。 (C)時事通信社