【ニューヨーク時事】新型コロナウイルスの感染が広がる米国で、老人ホームが深刻な影響を受けている。高齢者は感染すると重症化するリスクが高い。米メディアによると、多数が死亡した高齢者施設が相次いでいる。スタッフは介護で濃厚接触する機会が多いが、検査数や防護具が不足し、感染拡大を招いているもようだ。
 米紙ニューヨーク・タイムズの集計では、老人ホームや長期介護施設の入居者や従業員の感染者は2万1000人を超え、死者も3800人以上に上る。
 同紙などによると、約160人が入居する東部バージニア州の老人ホームでは3月中旬に初の感染が確認された後、8割が感染し、約1カ月で45人が死亡した。また、227床を持つニューヨーク市の老人ホームでは29人が感染で死亡したとされるが、従業員2人は同紙に最大で60人が死亡したと主張している。
 約540人が入居する東部ニュージャージー州の老人ホームでは納屋に遺体が収容されていると匿名の通報が今週あった。警官が駆け付けると、納屋に遺体はなかったが、4人しか収容できない老人ホームの遺体安置所で17人の遺体が発見された。この老人ホームでは2人の看護師を含む68人が最近死亡し、うち26人が検査で陽性だった。他の人の死因は不明という。
 地元選出のゴットハイマー下院議員は同紙に「老人ホームでは(ウイルスが)山火事のように広がる。止めるのは難しい」と指摘した。
 ニューヨーク市の15日時点の集計では、市内で確認された新型コロナ感染による死者のうち4.7%に当たる325人が老人ホームなどの介護施設で死亡した。一方、こうした施設で死亡した人のうち感染が確認されていないものの、感染で死亡した「可能性が高い」人は784人に上り、確認された人の倍以上に上る。 (C)時事通信社