「客からウイルスをうつされたら損害賠償請求できるのか」「通勤を渋る従業員に出勤を命じても大丈夫か」。東京弁護士会が運営する中小企業法律支援センター(東京都千代田区)に、こんな法律相談が寄せられている。相談内容からは、新型コロナウイルスの影響で、経営だけでなく法律面でも難題を抱える中小企業経営者の苦悩が浮かぶ。
 同センターでは、常駐する弁護士が中小企業からの電話相談を無料で受け付け、分野ごとに詳しい弁護士を紹介している。新型コロナ関連の相談は3月ごろから寄せられ、当初は資金繰りに関する内容が多かったが、4月に緊急事態宣言が出されると商取引関係の質問も増えたという。
 相談内容には、ウイルスを感染させられた場合に、損害賠償請求が可能か問うものもあった。同センターの本部長代行を務める堂野達之弁護士は「ケース・バイ・ケース」と前置きした上で、「その時に感染したのか因果関係の立証は一般的に困難とされている。ウイルスの詳細も明らかになっておらず、現段階では難しいのでは」と話した。
 堂野弁護士は「今回のような未曽有の事態のときこそ、ぜひ専門家に相談を」と呼び掛けている。無料相談の電話番号は03(3581)8977。 (C)時事通信社