新型コロナウイルスに感染した患者を収容するため、中国が武漢市に突貫工事で建設した臨時病院「火神山医院」のウイルス汚染状況を軍事医学科学院の研究チームが調べ、19日までに発表した。集中治療室(ICU)に出入りする医師や看護師らの靴底にウイルスが付着し、薬剤部などに拡散していたほか、ウイルスを含む微粒子が約4メートル飛散した可能性が示された。
 米疾病対策センターの専門誌「エマージング・インフェクシャス・ディジージズ」電子版に掲載された論文によると、調査は病院がフル稼働していた2月19日から3月2日に実施。各所を拭き取った検体と空気を採取したサンプルのPCR検査を行った。
 その結果、ICUの方が一般病棟より汚染され、パソコンのマウスやごみ箱、ベッドの手すり、ドアノブにウイルスがよく付着しているのは予想通りだったが、エアコンの空気吹き出し口や床から検出される割合も高かった。ウイルスを含む微粒子が患者のせきなどで飛沫(ひまつ)として放出された後、空気の流れに運ばれたとみられる。
 患者の周囲で採取した空気サンプルからもウイルスが検出され、ICUではベッドに寝ている患者の上半身から約4メートル離れた位置で採取したサンプルから検出された。
 火神山医院では調査結果を受け、ICU、一般病棟とも、患者がいる感染リスクが高いエリアとリスクが低い作業エリアに区分した。研究チームは、医師や看護師らが患者のいるエリアから出る際は靴底を消毒し、患者のマスクも捨てる前に消毒するよう勧告している。 (C)時事通信社