新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、縫製工場を持つ各地の刑務所で布マスクなどを製作する動きが広がっている。民間企業の発注を受け、月に約6万6000枚縫製できる態勢を整備。不足する医療用ガウン製作に向けた準備も始めた。
 法務省によると、布マスクを作っているのは青森、京都、大阪、加古川(兵庫県)、山口、岩国(山口県)、高知の各刑務所。刑務作業の中に洋裁が含まれており、従来はエプロンなどを発注していた企業から、マスク不足を見越して発注が入るなどし、3月から白いガーゼマスクやカラフルな布マスクなどを製作している。
 このほか、山口県美祢市にある官民協働刑務所「美祢社会復帰促進センター」では、市からの依頼を受け、布マスク約1800枚を製作。市は8日、市内の小中学校の児童や教職員らに配布した。同センターでは、市民向けの約4300枚も月内に製作する。
 刑務所では、医療現場で使われる防護服も作っている。民間企業の発注を受け、従来の大阪、京都のほか、横浜、月形(北海道)の各刑務所も加わり、月約6600枚を目指す。
 こうした取り組みに注目した経済産業省から4月に入り、「アイソレーションガウン」と呼ばれる医療用ガウンの縫製を依頼された。ただ、ガウンに使う生地が不足しており、どの刑務所で何枚作るかはまだ決まっていない。
 ある法務省幹部は「受刑者に社会貢献の意識を持たせ、再犯防止の効果もある。できることは積極的に対応していきたい」と話している。 (C)時事通信社