新型コロナウイルスの医療従事者への感染拡大を防ごうと、身近にあるクリアファイルを使って飛沫(ひまつ)から顔を守るフェースシールドが開発された。医療用陰圧テントの生産体制も強化されており、院内感染防止に向けた動きが加速している。
 フェースシールドを開発したのは、大阪大大学院の中島清一特任教授(消化器外科)らで、眼鏡メーカー「シャルマン」(福井県鯖江市)の協力を得て、3月下旬に完成させた。
 3Dプリンターで作ったフレーム部分にクリアファイルを装着する仕組みで、制作費は一つ100~300円程度。個人で作れるよう3Dデータも無料公開した。
 中小企業による量産に向け20日からインターネットで資金を募るクラウドファンディングも開始。今後、全国の医療機関にフレーム10万個の無償配布を目指す。中島教授は「誰でも作れる3Dプリンターと中小企業による量産の相乗効果で、医療従事者らの感染防止を急ぎたい」と話す。
 駐車場などに設置できる医療用陰圧テントの生産体制を強化しているのは、東京ドームの屋根も手掛けた大型テントなどのメーカー「太陽工業」(大阪市)だ。
 太陽工業によると、陰圧テントは床や天井部分が一体構造で密閉性が高く、フィルターでろ過して外部へのウイルス飛散を防ぐ。新型インフルエンザや中東呼吸器症候群(MERS)の流行時にも、国内外の医療機関に計約300基を納入した。
 今回も、欧米やアジアを含め問い合わせが相次いでいる。担当者は「これまで受注生産で昨年の販売は数基だったが、生産体制を見直し、年内に1000基を目指し迅速に供給できるようにしたい」と話した。 (C)時事通信社