「このまま営業を続けるべきなのか」。新型コロナウイルスの緊急事態宣言下で、多くのコンビニ加盟店オーナーが不安と使命感の板挟みになっている。「感染したら」「生活を支える」。社会インフラとしての役割を担うため、営業を続ける店がある一方、休業に踏み切るオーナーもいる。
 東京都内の40代男性オーナーは「お客さんの役に立てるなら精いっぱい続ける」と話すが、不安は尽きず、疲労も蓄積してきたという。「従業員への責任、休業時の損失はどうなるのか」。客の生活も大切だが、従業員や家族も守らないといけないと頭を悩ませる。
 レジで客との間に設置した飛沫(ひまつ)防止の間仕切りシートは、自前で用意した。本部は「必ずしてください。ホームセンターで買って」と言うだけ。「営業への圧力ばかりで、金銭的な支援もまったくない」とこぼした。
 「苦渋の選択だった」。本部の同意がなかなか得られなかったが、交渉の末14日から休業している川崎市のコンビニ。50代の男性オーナーは「20年もしていれば常連さんもたくさんいて、申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と語る。
 店は二十数人で回していたが、感染不安を理由にアルバイトやパートの休みが増え、自ら店に立つ時間が延びた。「緊急事態宣言が出るような状況で働かせられない」と従業員を減らし、休業直前には妻と本部から派遣された1人の計3人で営業した。疲労が重なり、持病のぜんそくの症状も出てきていたという。
 日本フランチャイズチェーン(FC)協会によると、コンビニ数は全国5万5710店(主要7社、3月時点)。大半は加盟店で、休業や時短を独断ですれば、本部から契約解除や違約金を請求される恐れがある。
 FC問題に詳しい藤井友貴弁護士は「原則、契約上の営業形態の変更はできない」と指摘する。その上で、「休業や時短に合理性がないわけではない。感染が広がるほどその正当性は高まり、簡単に本部側から契約解除できない」と説明した。 (C)時事通信社