【サンパウロ時事】原油相場の急落は、国家経済を原油輸出に頼る南米ベネズエラを一層の人道危機に追いやりそうだ。経済が破綻した同国では医薬品が慢性的に不足しており、新型コロナウイルスへの脆弱(ぜいじゃく)性が指摘されているが、外貨が入ってこないことで感染阻止に必要な措置が取れず、死者が増大する可能性もある。
 世界最大の原油確認埋蔵量を誇るベネズエラは故チャベス前大統領の下、潤沢なオイルマネーを武器に中南米の反米左派諸国の盟主となった。しかし、失政と原油価格の低迷で国家経済は破綻し、今や南米最貧国に。米トランプ政権が経済制裁を強めて販路が狭まったため、ロイター通信によると昨年の輸出量は前年比3割減、今年3月は前月比26%減に落ち込んでいる。
 マドゥロ大統領は3月、「ベネズエラ産原油価格の急落は歳入への大打撃だ」と発言。今月20日にはロシアのプーチン大統領と電話会談し、「5月1日に有効になる『OPECプラス』のメカニズム(協調減産)を完全に支持することで一致」(ベネズエラ外務省)するなど、危機感をあらわにしている。 (C)時事通信社