新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言が出されてから21日で2週間がたった。医療や感染症の専門家は「人と人の接触を十分減らせていない」と指摘し、対策拡充を求めている。
 厚生労働省対策班の西浦博・北海道大教授(理論疫学)は、感染を1カ月で収束に向かわせるには接触の8割減が必要で、7割減では長期化すると試算している。
 神戸大の中沢港教授(公衆衛生学)は、接触は一定程度減ったものの、対策に問題があり「8割減は遠い」とみる。政府は宣言を出した当初、施設への休業要請をすぐ行わないよう自治体に求めた経緯があり、休業補償にも消極的だった。中沢教授は「社会を守るために休業してもらうのだから、公費での生活保障は絶対に必要だ」と批判した。
 宣言を了承した基本的対処方針等諮問委員会のメンバーの1人は、在宅勤務が進んでいないと懸念する。対処方針では「必要な職場への出勤」を自粛対象外とした。このメンバーは「修正を求める声が多かったが、記述は残った。通勤が減らない一因では」と語った。
 この数日、東京都などで新たな感染者数が前日を下回る日もみられる。国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は「現在発表されるのは、宣言前後の感染者も多い。宣言に感染抑制の効果があったかは何とも言えない」と分析。中沢教授も、宣言に先立つ都知事の外出自粛要請などの効果がある程度出ているとみる。
 和田教授は「感染者が少し減っても、対策を緩めてはならない」と強調。「ゴールデンウイークなどの長期休暇を控えるが、外出は最低限にして遠出を避け、手洗いの徹底や3密回避などの生活に早く慣れてほしい。今後1年程度は地域を越えた移動が制限されるかもしれない」と呼び掛けた。 (C)時事通信社