【イスタンブール時事】世界で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、トルコでの感染者が22日時点で9万8674人となり、10万人に迫った。感染者数は中国やイランを超え、欧米を除けば最多。保健省によれば死者は2376人で、増加に歯止めがかかっていない。当局は週末を中心に外出禁止措置を取るなど対策を強化している。
 トルコでは初の感染者が公式に確認されたのは3月10日。この日までに欧州では感染者が急増していたが、国内では「トルコ人は特別に清潔なのでウイルスが広がらない」といった楽観論も出ていた。しかしその後、サウジアラビアのイスラム教聖地メッカでの巡礼者や欧州からの帰国者らを通じたとみられる感染が一気に広がった。
 サウジは3月上旬、感染防止のためメッカ巡礼を禁じる措置を取ったが、その直前にトルコから数万人が現地入りしていたという。帰国後、隔離措置を取らない人も多かった。
 保健当局は現在、1日当たり4万人前後に対して検査を実施している。連日数千人規模の新規感染が明らかになり、感染者数は先に事態が深刻化していた中国やイランを上回る状況となった。感染者の6割は最大都市イスタンブールにいるとされる。
 ウイルスによる死者数をめぐっては、米ニューヨーク・タイムズ紙がイスタンブールでの3月から4月にかけての死者の総数が通常よりも多いことなどを根拠に、当局発表の数字よりも「かなり多い」可能性を指摘している。コジャ保健相は22日、同紙の報道を否定した。
 トルコ政府は4月中旬から毎週土日の外出を禁止する措置を開始し、今週は措置を23日からの4日間に拡大した。エルドアン大統領はイスラム暦のラマダン(断食月)が明ける5月下旬には「通常の生活に移る」と期待する。ただ、一方で経済活動を極力維持したい政府の方針もあって平日に外出する市民は少なくなく、事態が沈静化に向かうかは不透明だ。 (C)時事通信社