【ニューデリー時事】約9000人の死者を出したネパール大地震から25日で5年を迎える。しかし復興は進んでおらず、特に病院など医療機関は震災前の半分強しか復旧していない。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、地方部で十分な感染対策が取れないと悲観する声が強まっている。
 政府の復興当局によると、これまでに復旧した医療機関は震災前の55%程度。24日に電話取材に応じた保健・人口省当局者は、新型ウイルス対策について「問題は地方だ。医療設備の欠如は疑う余地がない」と説明した。
 ネパールの24日時点での感染者は48人、死者はいないとされている。ただ、もともと中国との交流が深かったことから、地元有力紙記者は「検査が追い付いていないだけだ」と懸念する。
 復興が進まない背景には、政府が世界各国の支援金を配分できていない問題がある。震災から2年半ほどの間は政争が繰り返され、現在までに投入されたのは、被害額約7060億ルピー(約6200億円)の半分程度にとどまる。
 特に地方では被災家屋の復旧さえ進んでいない場所も多い。3月末から新型ウイルス対策で外出禁止措置が続くが、被災者は間借りした他人の家などで日々を過ごしている。政府の復興当局者は「貧困層などの少なくとも1万5000世帯が住宅を再建できないままだ」と認めた。
 政府は国際援助団体の力も借りながら家屋再建を進めざるを得ないが、当局者は「コロナ危機が過ぎ去った後に進展があると望んでいる」と言葉は少ない。 (C)時事通信社