【バンコク時事】タイで新型コロナウイルス感染者の回復率が87%に上っている。電話インタビューに応じた保健省のソムサック医療局長は「早い段階で抗ウイルス薬を投与している」と説明。タイ保健当局の研究に基づく措置で、「効果があると確信する」と自信を深めている。
 タイでは24日現在、2854人の感染が確認され、2490人が治癒した。ソムサック局長によると、患者の症状に応じ、7種類の抗ウイルス薬を投与。6種類はタイで調達でき、残る抗インフルエンザ薬「アビガン」も「輸入元の日本と中国の協力で十分な在庫を確保している」という。
 患者は症状によって3グループに分け、無症状の感染者は抗ウイルス薬を用いず、軽症者にはアビガン以外を使用。重症者はアビガンを投与する。ソムサック局長は「各地の医師から早期に薬を投与するほど回復が早いという報告が届いている」と手応えを口にする。
 保健省は感染拡大の初期段階から病院や関係機関の専門家と研究を重ね、他国の治療法や国内の経験を基に、早期投与を盛り込んだ独自の指針を策定。「死は待ってくれない」(ソムサック局長)ことから、臨床試験を経ずに実行に移した。
 タイでは3月下旬から4月上旬まで感染者が100人以上増える日が続いたが、21日以降は20人以下にとどまる。ソムサック局長は「第2波が訪れる可能性はある」と警戒しつつも、「人との距離を保つなど規律を守れば小規模に抑えられる」との見解を示した。 (C)時事通信社