【ワシントン時事】トランプ米大統領が新型コロナウイルスの治療法として、消毒用アルコールなどの殺菌剤を人体に投与することを提案し、波紋を広げている。人体への殺菌剤投与は極めて危険で、専門家やメーカーは「絶対に体内へ入れてはいけない」と猛反発。トランプ氏は釈明に追われている。
 問題の発言が飛び出したのは、ホワイトハウスの新型コロナ対策本部による23日の記者会見。会見では国土安全保障省の科学技術局長代行が、ウイルスが太陽光や高温・多湿の環境に弱く、漂白剤や消毒用アルコールなども効果があるとした実験結果を紹介した。これを受けてトランプ氏は「(殺菌剤を)注射すれば、あっという間に(ウイルスを)倒せるのではないか」と述べ、局長代行に研究を指示した。
 ロイター通信によると、米国医師会のハリス会長は「どのような状況だろうと、漂白剤などの殺菌剤を摂取したり注入したりすべきでない」と警告。漂白剤や住宅用洗剤を扱う英レキットベンキーザー社も24日、声明で「当社の製品は説明書に沿った使用のみを想定している」とし、体内へ入れないよう呼び掛けた。
 メリーランド州の危機管理局はツイッターに、トランプ氏の発言を受け「新型コロナと殺菌剤使用に関する問い合わせが何件も来た」と投稿。絶対に服用しないよう訴えた。
 トランプ氏は24日、記者団に前日の発言について「会見場にいた記者をからかうつもりで問い掛けたものだ」と釈明した。これに対し米メディアは、トランプ氏の言葉にあぜんとした表情を見せたバークス新型コロナ対策調整官の会見での様子を紹介し、「発言はからかったものではなかった」(CNNテレビ)と伝えている。 (C)時事通信社