院内感染によるクラスター(感染者集団)発生などが相次ぐ新型コロナウイルス。増加の勢いは衰えを見せず、「救急医療全体の機能低下は免れない」「通常の重症患者の受け入れに支障を来す恐れがある」と危機感をあらわにする自治体も少なくない。
 全国で唯一感染者が確認されていない岩手県。県内に三つある3次救急医療機関での受け入れ状況を「平時と変わらない」と県は説明する。ただ、「感染疑いの患者診察に多くのマンパワーを必要としている」と明かし、「感染者が発生した場合は逼迫(ひっぱく)する」と不安も見せる。
 「対応する医師、看護師の負担が大きく、疲弊している」と強調するのは沖縄県。3次救急施設では従来通り多発外傷、重度熱傷などの重篤な患者への対応も続ける中、楽観できない状況が続く。
 感染者のさらなる増加に対し、三重県は「医療従事者の不足など解決すべき課題が多い」と指摘。静岡県は「防護服など医療器具の不足が懸念される」としており、対応は待ったなしの状況だ。
 高知県では三つある3次救急施設のうち、高知医療センター(高知市)で新型コロナによる入院患者の診療を維持するため、23日から救急患者や緊急手術などを一部制限。同県は「3次救急以外の医療機関も含め、受け入れ体制について検討する必要がある」との見解を示した。
 長野県も感染者を受け入れない施設を確保するなど、役割分担の必要性に言及。鳥取県は22日までに感染者が入院する病床を322床確保したとして、「全国トップレベルと認識している」と胸を張った。 (C)時事通信社