【パリ時事】新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な欧州の国々で、企業の操業停止や外出制限などの感染防止措置を緩和する動きが少しずつ出てきた。イタリアのコンテ首相は26日、製造業や建設業について5月4日から稼働再開を許可すると発表したほか、スペインは26日から子供の外出を条件付きで認めた。フランスも5月11日から外出制限を緩和する方針だ。
 2万人以上が死亡したこれら3カ国をはじめ欧州の多くの国では3月中旬ごろから、生活必需品を扱う店以外の店舗が休業し、学校も一斉休校となった。約1カ月半にわたり事実上の外出禁止が続き、停滞する経済の再建という重い課題がのし掛かる。一方、新たな死者数は今月前半に入り、減少傾向が続いていることから、各政府は制限緩和の方向に動きだした。
 コンテ首相は記者会見で「企業を再稼働しなければイタリアは再起できない」と強調。感染リスクはまだ残るものの、経済活動の再開を重視する姿勢を表明した。一方で、再び感染者が増加すれば、「経済に取り返しのつかない損失を与えることになる」と懸念を示し、「イタリアを愛するならば他者と距離を取ってほしい」と呼び掛けた。
 フランスは、イタリアやスペインのように、工場の操業や企業活動などで大規模な停止措置を取っていないが、レストランやカフェなどの休業が経済に甚大な影響を及ぼしている。フィリップ首相は28日にも、外出制限緩和について発表するが、仏メディアは、外出時にはマスク着用が義務付けられるほか、国外への移動は引き続き制限される見通しだと伝えた。
 スペイン政府は26日、自宅から1キロ圏内で1時間以内などという条件付きで、子供の外出を認めた。マドリードに住む男児は地元紙パイスに対し、「友達に会えてとてもうれしい。ハグできないのが寂しいけど」と話した。 (C)時事通信社