新型コロナウイルスの新規感染者数が東京都で2日続けて2桁台にとどまったことを受け、政府内には安堵(あんど)感が漂う。同時に国民に「緩み」が出ることを警戒する声も強く、29日からの大型連休に向け、引き締めを図る方針だ。安倍晋三首相は27日の衆院本会議で「緊急事態の早期収束に向け、今が非常に重要な時期だ」と強調した。
 政府は週内に専門家会議を開き、感染状況について分析する予定。首相は本会議で、5月6日に期限を迎える緊急事態宣言を延長するかどうかについて、「専門家の提言も頂きながら判断していきたい」と述べるにとどめた。
 首相はこの後の自民党役員会で「足元では新規感染の伸びが抑えられているように見えるが、楽観できる状況ではない」と指摘。「特に地方の医療体制を考えると、大都市から地方への人の流れを極力食い止める必要がある」と述べ、連休中の外出自粛を訴えた。
 都内で確認された新規感染者は17日に最多の201人を記録。その後100人台で推移していたが、26日は72人、27日は39人と落ち着きを見せている。緊急事態宣言が東京などに発令されて28日で3週間。政府高官は「減っているのは間違いない。今後もこの傾向が続くだろう」と述べ、対策が一定の効果を上げているとの見解を示した。
 一方で収束の見通しは依然として立っておらず、東京など都市部で再び人の動きが活発化すれば、全国へ感染が拡大する可能性がある。
 首相官邸関係者は「連休中の数字も見ないと分からない」と語り、今後の推移を注視する考えを強調。自民党幹部も「一番危険なのは、緩んで人が外に出ていくことだ」と指摘した。菅義偉官房長官は27日の記者会見で、東京での新規感染者減少が緊急事態宣言に与える影響について「現時点で判断は差し控えたい」と言及を避けた。 (C)時事通信社