新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国の離島の住民が警戒感を強めている。重症化しやすいとされる高齢者が多く、本土並みの医療体制も整っていないためだ。「島内で感染が広がればどうなってしまうのか」。普段なら観光客は大歓迎だが、逆に来訪自粛を求める呼び掛けが相次ぐ。
 国土交通省などによると、国内にある有人の島は約420に上る。人口減少と急速な高齢化は共通の課題。感染症拡大への懸念は強く、少なくとも14都道府県の島の70市町村が来島自粛宣言を出している。
 「感染がまん延した場合は医療体制が維持されないことも危惧される」。鹿児島県奄美大島の5市町村長は18日、奄美市で2人の感染が確認されたことを受け、緊急共同メッセージを出した。
 「何としても感染拡大を防がなくてはならない」と危機感をあらわにする背景には、医療崩壊への懸念がある。奄美市は人口約4万人の約3分の1が65歳以上と高齢化が進む。市内唯一の感染症指定医療機関である県立大島病院の感染症病床はわずか4床で、担当者は「集団感染が確認されたら対応し切れない」と頭を抱える。
 流行時の患者搬送にも不安が残る。島と本土の移動には船で片道11時間かかる。飛行機は1日10便から4便まで減便されており、悪天候の場合はいずれの交通手段も遮断される。
 ゴールデンウイーク中の帰省や観光客、島内外の往来増加に神経をとがらせており、空港での検温など「水際対策」を強化。5人の首長は「島内の感染拡大を絶対に阻止する」と力を込めた。
 同島の宇検村の安池穂好村議(39)は「高齢者が多く、集団感染が発生すれば医療崩壊につながりかねない」と強調。大型連休中の観光客増加を懸念し、「どうかコロナの終息後に来ていただきたい」と訴えている。
 この他、北海道の利尻島や新潟県の佐渡島、沖縄県の石垣島なども来島を控えるようホームページで要望している。 (C)時事通信社