新型コロナウイルスに感染し、においが分からないと自覚した人の割合は、重症となり入院した患者より、比較的軽症で外来診療にとどまった患者の方が大幅に高かったと、米カリフォルニア大サンディエゴ校の研究チームが29日までに発表した。
 同校関連病院の入院患者26人と外来患者102人を調べたところ、嗅覚障害を自覚した割合はそれぞれ26.9%と66.7%。味覚障害の自覚割合も23.1%と62.7%で、外来の方が高かった。
 調査は嗅覚・味覚障害の程度を区別せず、客観的に検査していない。このため、研究チームは検査を伴う大規模調査を行うべきだと指摘。その上で、嗅覚障害が生じた場合は重症化しにくいと分かれば、病床不足が深刻な状況では入院を見合わせる判断材料になるとの見方を示している。
 嗅覚障害の詳しい仕組みは解明されていないが、起きる場合はウイルスの感染場所が鼻腔(びくう)付近にとどまり、重い呼吸器症状に進みにくい傾向があるかもしれないという。
 調査した患者は3月3日から4月8日までにPCR検査で陽性となった。人種はさまざまで、入院患者は50代、外来患者は40代が多い。嗅覚・味覚障害を自覚したかは診療記録で調べ、不明な場合は患者に電話や電子メールで問い合わせた。論文は米鼻科学誌「インターナショナル・フォーラム・オブ・アレルギー・アンド・ライノロジー」電子版に掲載された。 (C)時事通信社