【パリ時事】イタリアやスペインで新型コロナウイルスの感染が急拡大し2万人以上が死亡した一方で、近隣のポルトガルは死者数を1000人以下に抑えている。財政難を抱えるのは医療崩壊が起きたイタリア、スペインと同様だが、早期の都市封鎖(ロックダウン)が奏功したと評される。
 両国と同じく、ポルトガルも欧州債務危機の影響で、欧州連合(EU)から金融支援を受けて医療費を削減せざるを得なかった。フランス紙レゼコーによると、10万人当たりの集中治療病床は仏の12床、スペインの9床に対し、ポルトガルは4.2床と少ない。コスタ首相は地元メディアに対し、早期の都市封鎖がなければ「医療サービスは崩壊し、感染者と死者はもっと多かっただろう」と述べた。
 ポルトガルで初の感染例が報告されたのはフランス、イタリア、スペインより約1カ月遅い3月2日。同月16日に初の死者が確認されたが、コスタ政権はこれより先に一斉休校や外出制限、国境封鎖などを決定。死者が100人を超えてから同様の措置に踏み出したイタリア、スペインとは対照的だった。
 ポルトガルでの感染者は30日時点で約2万4000人、死者は約970人にとどまっている。レベロデソウザ大統領は28日、5月初頭から外出制限を段階的に解除すると明らかにした。ただ、コスタ首相はこれより先、「ワクチンが開発されるまでは普通の生活は戻らないだろう」と強調。制限解除後も、気を抜かずに手洗いなどの感染予防策を続けるよう呼び掛けた。 (C)時事通信社