【ベルリン時事】新型コロナウイルス拡散防止のため公共交通機関などでのマスク着用が義務化されたドイツで、市民がマスク生産や配布に奮闘している。デザイナーが若者も受け入れやすいデザインのマスクを作ったり、手作りマスク寄付プロジェクトが立ち上がるなど、草の根的活動が、マスクの販路が確立されていなかったドイツでの供給に一役買っている。
 ベルリンのデザイナー、愛里咲・メンクハウスさん(29)は1カ月前から、着物に使われるポリエステルちりめんなどを素材に、和風の柄のマスク生産・販売を開始した。フィルターが挿入でき、洗って再利用可能。価格は24.9ユーロ(約3000円)。これまで400枚を超える注文があり、女性誌「エル」でも取り上げられた。メンクハウスさんは「ドイツ人は日本と違いマスク姿に慣れていない。普及にはデザイン性もとても重要だ」と話す。
 個人が手縫いする例も増えている。ハンドメイド製品の作り方のオンライン授業を手掛けるベンチャー企業「メイクリスト」はサイト上で、手作りマスク寄付プロジェクトを開始。これまで2万4000枚を集め、学校などに寄付している。
 義務化されたのは医療用マスクでなく、厳しい規格のない一般のマスク。このため、生産も比較的容易だ。シュパーン保健相は地元テレビに「医療用マスクは医療従事者のものだ」と区別しつつ「人と距離を保てない公共交通機関などでは、一般マスクも他人への感染リスクを下げることに貢献できる」と、市民らの生産を歓迎した。 (C)時事通信社