日本政府が延長する緊急事態宣言。外出や経済活動などの制限措置を、日本に先立って導入した各国は、一部を延長しつつ、段階的な緩和に動きだしている。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)収束が見通せず、ワクチン開発も途上で、気が緩めば「第2波」を招くと警戒感は拭えない。
 発生地の中国湖北省武漢市では4月8日、約2カ月半の「都市封鎖」が解除されたが、外出は不自由なまま。欧州でも「出口戦略」を模索中だ。新型コロナに「勝利した」(アーダーン首相)と宣言したニュージーランドでさえ、制限の緩和は一部にとどまる。
 ◇感染減でも慎重
 フランス政府は3月17日から外出制限を発動。当初15日間の予定だったものの、マクロン大統領が「感染拡大はまだ制御できていない」と指摘し、何度も延長された。5月11日からの解除を目指す一方、フィリップ首相は感染者数が再び拡大すれば、緩和を見送るとくぎを刺している。
 米国に次いで死者数が多いイタリアも、3月10日から約1カ月の外出制限を開始し、新規感染者数は4月に減少に転じた。制限は今月4日以降、段階的に解除されるが、コンテ首相は「これまで達成した成果が失われかねない」と全面解除に慎重な姿勢を強調している。
 ◇「優等生」に衝撃
 面積が東京23区並みのシンガポール。当初はコロナ対策の「優等生」と称された。しかし、予想外の大きな第2波が襲い、4月上旬に職場・学校閉鎖と外出制限を柱とする都市封鎖に追い込まれた。感染源となったのは、外国人作業員が集団生活を送る宿舎だ。
 不衛生で密集した住環境が感染の「温床」になると指摘されていたが、政府の対応は後手に回った。感染者は爆発的に増え、4月21日、封鎖措置を6月1日まで約1カ月延長すると決まった。リー・シェンロン首相は「流行は1年以上続く公算が大きい」と力説し、長期戦に備えるよう国民に呼び掛けている。
 ◇ピーク越えたが…
 米国で最大の感染者を出しているニューヨーク州では、3月22日から始まった外出規制と必要不可欠ではない事業閉鎖の期間が5月15日まで延ばされた。米国では最近、経済活動を一部再開する州が相次ぐが、クオモ・ニューヨーク州知事は制限緩和に慎重で、州内で感染が集中する地域では中旬以降も再延長する考えだ。
 クオモ氏はニューヨーク州で規制が奏功し、感染拡大の「ピークは越えた」とみているが、第2波の阻止は必須。病床の利用率や感染者1人が何人を感染させるかの数値などを基に、段階的な緩和の可否を判断する方針だ。(パリ、シンガポール、ニューヨーク時事)。 (C)時事通信社