新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の延長が決まり、国内の感染者の約3割を占める東京都は外出自粛を継続するよう都民に求める方針だ。オーバーシュート(爆発的患者急増)はひとまず避けられたが、都は自粛の長期化による緩みからの感染再拡大を警戒。患者が急増すれば、病床逼迫(ひっぱく)の恐れもあり、医療提供体制は綱渡りが続く。
 小池百合子知事は5日にも、緊急事態宣言延長を受けた都の対応を発表する予定だ。
 都内の感染者が急増した3月25日、小池知事は「感染爆発の重大局面」として、外出自粛やテレワークの実施を呼び掛けた。さらに、都は新型インフルエンザ対策特別措置法に基づき、遊興・遊技施設などに休業を要請。応じた事業者への協力金支給も決めた。暮らしに身近なスーパーが混雑していると分かると、「買い物は3日に1回程度に」と求めるなど、さまざまな対策を講じてきた。
 これらの効果もあったためか、最多で201人に達した1日当たりの感染者数は4月最終週になって落ち着いてきた。ただ、専門家からは「減少速度が理論上よりも少し遅い」(西浦博北海道大教授)との指摘もあり、都は「まだ予断を許す状態にはない」(小池知事)と、厳しい見方を崩していない。
 緊急事態宣言の延長によって、生活や経済への影響も長期化することになった。都幹部は「今後、『自粛疲れ』で外出する人が増える可能性もある」と、引き締める必要性を強調する。
 都は感染者を受け入れるため、2000病床を確保済みだが、現在の陽性者数はこれを上回る。そこで都は、軽症者や症状のない人を病院ではなく宿泊施設で健康観察する取り組みを開始。ただ、約1200人分を確保した宿泊施設の利用者は4日時点で170人にとどまり、活用は十分ではないのが実情だ。
 小池知事は4日夜、緊急事態宣言延長に関して、「致し方ない」と語った。今後の対応については、民間企業の事業継続に配慮する考えを示した上で、「皆さんとともにコロナとの闘いに向けて進めていきたい」と強調した。 (C)時事通信社