政府は4日、新型コロナウイルスに関する基本的対処方針で、感染拡大が引き続き懸念される特定警戒都道府県以外の地域を中心に、経済や社会の活動レベルを段階的に上げると決めた。一部地域での緊急事態宣言解除も視野に入っており、医療の専門家は、再流行につながりかねないと懸念を示している。
 対処方針では特定警戒県以外について、クラスター(感染者集団)が多く発生している場などを除き、入場制限や手洗い徹底といった対策を講じる条件付きで施設利用や外出を認めた。
 特定警戒県に指定されている石川県に隣接し、感染者数にも大きな差がない富山県。県衛生研究所の大石和徳所長は「富山では対策が機運に乗ってきたところ。今緩めれば再流行するだけで、緩和できる状況にない」と指摘した。
 対処方針の記載は経済活動再開に力点が置かれており、大石所長は「知事に状況に応じて対策を決める権限があると明確に書いてほしかった」と求めた。
 国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は「経済活動の再開で、地域によっては感染が再び広がることが想定される」とした上で、「飲食店や商業施設、学校などについて、何をいつから再開するかは、各知事が2週間ごとの感染者数の推移を見極めながら慎重に進めてもらうしかない」と指摘する。
 和田教授は「再開の判断をするには、各県が県内のどの地域で感染が広がっているかをきめ細やかに把握する仕組みをつくる必要がある。判断にはそれぞれの知事のリーダーシップが不可欠だ」と強調した。 (C)時事通信社