新型コロナウイルスの感染拡大を受け、7都府県に緊急事態宣言が出されてから7日で1カ月。特定警戒都道府県以外の飲食店や遊技場などは、営業の再開や時間延長を始めた。「客足は戻るのか」「ようやく客に会える」。不安と期待の中、停滞する経済が動き始めた。
 全国で唯一、感染者の確認がない岩手県では同日、県の休業要請が全面解除された。盛岡市のスポーツジムは、利用者同士の間隔を空けるなどの対策を取り、12日ぶりに営業を再開した。市内の女性は「ずっと家に居たが、久しぶりに来られた」と笑顔。市内の松島哲夫さん(68)は「(感染に)気を付けて利用したい」と話した。
 高知県も全面解除されたが、接待を伴う飲食店への出入り自粛協力の要請は続く。高知市内の接待飲食店は、予約が入った場合のみの営業を開始したが、20代の女性従業員は「夜の街に人が戻らないと、(休業前と)あまり変わらないと思う。通常営業に戻る時期は見通せない」と話した。
 一部の対象を除き、休業や時短営業の要請が解除された鹿児島県。短縮していた営業時間を拡大した居酒屋の経営者竹光隆さん(49)は、緊急事態宣言が続くことを挙げ、「宴会などの規制がある会社も多く、飲みに来る人は限られる」と客足回復への懸念を明かす。焼酎居酒屋経営の大田晃士さん(47)は「4月の売り上げは前年度の約8割減だった。4割減くらいまで持ち直せれば」と期待を寄せた。
 秋田県では、パチンコ店が足並みをそろえて約2週間ぶりに営業を再開した。秋田市内のある店舗の駐車場は、平日の昼にもかかわらずほぼ満車で、新台コーナーに多くの客が集まっていた。無職男性(73)は「ずっと家にいたので開放感を味わいたくて」と話し、密状態への懸念についても「客同士は向かい合わない」と強調した。
 県内では全店が県の休業要請に従ったが、秋田県遊技業協同組合の担当者は「次の要請が来たら大手以外はつぶれる」と危機感を示した。
 自主休業を続けていた東京都千代田区の児童書専門店「ブックハウスカフェ」は、常連客の要望を受け、ほぼ1カ月ぶりに営業を再開した。店長の今本義子さんは「お客さんと会えてうれしいが、店内でのイベントはできない」と語る。
 再開に当たっては、来店者にマスク着用を要請。持参していない顧客には入店時に100円と引き換えにマスクを渡し、商品購入時に返金するなどの工夫も取り入れた。 (C)時事通信社