新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令されてから7日で1カ月。期限が今月末までに延長され、東京都が引き続き休業を求める一方、特定警戒都道府県以外を中心に要請を解除する動きも目立つ。専門家は「感染状況を細やかに把握し、対策を調整する必要がある」と指摘している。
 大橋順・東京大准教授(集団ゲノム学)は「対策を緩めた地域では感染拡大が起き得る。再び対策を強めれば効果が出るだろうし、長期的にはそうして制御していくしかない」と分析しつつ、「今は慎重になった方がいい」と注意を促す。
 医療資源が十分でない地域では、短期間で病床が逼迫(ひっぱく)する恐れがあり、再流行の兆しを特に厳しく監視する必要がある。大橋准教授は「感染の全体像を把握するため、本来は十分な数のPCR検査や抗体検査が必要だ。現状では日々の患者数から状況を推測し、早めに対応するしかない」と話す。
 都などがこのまま制限を続けた場合でも、月末までに感染が収束するとは限らないという。「収束するなら現時点でもっと患者が減っているはず。だらだらと感染が続き、規制を強める必要が生じる場合もあり得る」と警戒する。
 国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)は「各知事がリーダーシップを発揮し、地域の病床の空き具合や感染状況、PCR検査体制などをきめ細かく把握した上で、外出・営業自粛の進め方や学校活動の再開方法などについて対策を講じるべきだ」と語る。
 その上で、長期的な備えが不可欠だとし、「新型コロナウイルス感染症との区別が難しいインフルエンザや風邪が流行する冬は、特に主戦場となり得る」と訴えた。 (C)時事通信社