【パリ時事】フランスで11日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため3月中旬から約2カ月間続いた外出制限が緩和される。公共交通機関でのマスク着用が義務付けられるのに先立ち、政府は4日からマスクの一般向け販売を解禁。しかし、つい最近まで品薄状態だったことから「在庫隠し」を疑うなど、市民の間で政府への不信感が高まっている。
 使い捨てマスクについて政府はこれまで「感染防止には意味がない」と主張し、販売を医療関係者向けに限定していた。カスタネール内相は8日、方針転換について「当初は必要ないとしていた専門家の見解が変わったのに合わせた」と説明したが、市民からは「品薄だから『必要ない』と言っていただけ」と懐疑的な声が上がっている。
 医療関係者らも「あれほど不足していたのになぜ突然流通し出すのか」「政府は在庫を隠していたのでは」と疑いの目を向けている。
 フィリップ首相は「疑問に思う気持ちは理解する」としつつ、在庫隠しを否定。「膨大な発注に生産が追い付いていなかった」と弁明した。
 レゼコー紙(電子版)が7日に報じた世論調査によると、制限緩和に「不安を抱いている」と答えた人は67%に上った。マクロン大統領の支持率は34%と、4月の前回調査から5ポイント低下した。調査会社エラブは「マスク問題をめぐる根強い不信感が支持率低下の一因だ」と分析した。 (C)時事通信社