【シリコンバレー時事】新型コロナウイルスの感染拡大防止にドローン(小型無人機)を導入する動きが出ている。医療物資の運搬のほか、人々の健康状態を観察するドローンも登場。経済活動の再開後も感染の「第2波」を防ぐことが求められる中、人の密集を避ける「社会的距離」の確保に活用が進みそうだ。
 カナダに本社を置くドラガンフライは、ドローンに取り付けたカメラを通じて、人間の皮膚の微細な変化や体の動きを捉え、せきや発熱、心拍数などを検知できる技術を開発した。群衆から感染症や呼吸器疾患の可能性がある人の割合を調べ、社会的距離が十分取られているかなど感染防止措置の在り方を検討するのが狙いだ。
 ただ、米東部コネティカット州ではプライバシー侵害を懸念する住民の反発を受けて警察が実証実験を断念した。顔認識は使わず、個人が特定されることはないが、人々の受容には課題が残る。
 キャメロン・チェル最高経営責任者(CEO)は取材に対し、「当局は措置が効果的かどうか判断でき、速やかに経済を再開するのに役立つ」と利点を強調。テーマパークやショッピングモールなどでも実験を予定しているという。
 一方、米宅配大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)と米ドラッグストア大手CVSヘルスは今月、南部フロリダ州にある全米最大規模の高齢者居住地区に処方薬をドローンで配達するサービスを開始。流行の収束後も「継続的にニーズを調査する」という。
 活用は医療現場にも広がる。西アフリカのガーナでは4月、コロナ検査のため、地方の病院で採取した検体を都市部の研究施設に運ぶドローンを導入。開発した米企業ジップラインは「人口過密の都市部への定期的な長距離配送に利用されたのは初めて」としており、認可を得られれば米国でも始める計画だ。 (C)時事通信社