【ロンドン時事】新型コロナウイルス感染阻止を目的とする行動制限の段階的緩和が10日発表された英国では、慎重ながらも方針を歓迎する受け止めが見られる一方、「新規制の内容が不明瞭」「混乱する」との批判もある。対策の指揮を執るジョンソン首相は、国民の理解を得ながら感染抑止と経済再開の両立を図るという難しい課題を背負った。
 首相は10日夜の国民向けテレビ演説で、「社会活動を再開するためのロードマップ」として、自宅勤務ができない人の出勤奨励や、6月からの小学校と一部商店の再開といった緩和策を発表。また、3月の全土ロックダウン(都市封鎖)以降繰り返し唱えてきた「ステイ・ホーム(自宅にいよう)」のスローガンの代わりに、若干強制力が弱い印象を受ける「ステイ・アラート(警戒を続けよう)」の表現を用いて協力を呼び掛けた。
 政府はさらに11日、新規制の詳細を示す約50ページの計画書を発表。屋内の公共スペースでマスクを着用し、入国者は到着時から14日間自主隔離することなどを勧告した。
 11日付各紙は「首相が出口戦略を提示」(タイムズ)、「自由への長い道のり」(デーリー・テレグラフ)などの見出しで演説内容を詳報。産業界からは「弱体化する経済にかすかな(希望の)光」(英産業連盟責任者)と歓迎の声が上がった。
 一方、野党労働党のスターマー党首は「人々に職場に戻るよう呼び掛けているが、公共交通機関(の安全性)をどうするか指針がない。多くの疑問が生じている」と指摘。「ステイ・アラート」の新スローガンについても、イングランド以外の地域の自治政府が反対の意向を示すなど、足並みに乱れが目立っている。 (C)時事通信社