新型コロナウイルス対策を議論する政府の専門家会議(座長・脇田隆字国立感染症研究所長)は14日、緊急事態宣言解除の目安とした感染者数について「東京で言えば、感染拡大が生じる前の3月上・中旬ごろの水準」に該当することを明らかにした。当時はクラスター(感染者集団)対策などが十分実施できていたといい、同日公表した提言に盛り込んだ。
 感染状況で全国を3区分することも提言し、宣言解除の39県は3区分で感染リスクが最も低い「感染観察」地域に入った。
 政府は宣言解除時の感染状況について「直近1週間の10万人当たりの感染者数が0.5人以下」とした。この水準なら、地域でクラスター感染を追跡することで二次感染の拡大を防げるという。同会議は直近1週間の新規感染者数が、その前の1週間を下回ることも目安にした。他には、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)していないことや、感染者数の再拡大に備えたPCR検査体制の確立も条件に求めた。
 14日夜に記者会見した同会議の尾身茂・副座長は「複数の国では対策緩和後、すぐにクラスターが発生した。宣言解除後もマスク着用や手洗いの徹底、『3密』回避が重要だ」と強調した。
 専門家会議は、各都道府県で感染状況に応じた対策が必要として、現行の「特定警戒」に「感染拡大注意」と「感染観察」を加え3区分することも提言。「特定警戒」では、人と人との接触の8割削減を引き続き目指し、イベントやライブハウス使用などの自粛を続ける。公園や図書館などは感染防止策があれば開放もあり得るとした。
 「感染拡大注意」は、新規感染者数が「特定警戒」の半分程度の地域とした。マスク着用などの「新しい生活様式」を徹底し、都道府県をまたぐ不要不急の移動などを避けるよう要請。「感染観察」は新規感染者が一定程度確認されるが、「感染拡大注意」に当たらない地域と定義。「感染観察」地域間の移動や参加者100人以下の小規模イベント開催も可能だが「身体的距離の確保などの基本的な対策を講じることが前提」とした。 (C)時事通信社