新型コロナウイルスに関して独自に定めた基準に基づき、休業要請の段階的解除を決めた大阪府。全国に先駆けて「出口戦略」を掲げたが、有識者からは、第2波の感染拡大への懸念とともに「検査拡充を急ぐべきだ」などの声が上がった。
 法政大の小黒一正教授(公共経済学)は、このまま休業、外出自粛が続けば半年間のうちに大規模な連鎖倒産が起きるとみる。府の出口戦略を評価しつつ、「経済を動かすには安心感が重要。解除により感染が再拡大した欧米の例を見ても、検査を充実させる以外の選択肢はない」と指摘。希望者をすぐ検査できる態勢を早急に整備するよう国に求めた。
 関西医科大の西山利正教授(公衆衛生学)は基準策定を評価する一方で、「PCR検査の陽性率が7%未満」との指標には疑問を呈した。解除による感染拡大を念頭に、「検査対象を絞っており、もっと厳しい数値でもよかった。ウイルスの特性には分からないことが多く、再要請は基準にとらわれず柔軟に判断すべきだ」と語った。
 府の専門家会議委員も判断の難しさを吐露する。座長を務める朝野和典大阪大大学院教授は、基準を策定した5日の会議で「サイエンスとしての正確性に自信がない。(指標に)エビデンス(根拠)はない」と指摘した。
 同じ委員で「りんくう総合医療センター」の倭正也感染症センター長は取材に対し、「一部の委員にだけ知らせて基準を決めた。現場の声を聞いてほしかった」と話した。 (C)時事通信社