病院勤務医による労働組合「全国医師ユニオン」が16日、新型コロナウイルスと闘う医療現場の実情を訴える緊急シンポジウムを東京都内で開いた。医師の9割超が院内感染の恐怖を抱えているなど厳しい状況が報告され、植山直人代表は「課題は多く、想定される第2波に向け総合的な対策が急務だ」と強調した。
 発表された同組合のインターネット調査では、回答した医師や研修医172人中、約85%が医療用高機能マスクや防護服の不足を経験し、マスクの使い回しは3割を超えた。勤務先の院内感染については「少し不安」が70.9%、「かなり問題がある」が16.3%。「既に起きた」も4.1%あった。危険手当の受給率は18.6%しかなかった。
 半数以上がコロナの診療をやめたいと思ったことがあると回答。植山代表は「不安や不満の表れで、解消しないと現場が崩壊する。防護策や待遇改善が必要」と話した。
 精神科など感染症と関係ない科の医師や研修医も総動員で治療に当たっていることも分かり、登壇した研修医の前島拓矢さんは「十分な指導もなく前線に立つことを怖がる人もいる。この先きちんと研修を受けられるかどうかも不安だ」と訴えた。 (C)時事通信社