【ニューヨーク時事】米各州が新型コロナウイルスの感染拡大防止のため停止していた経済活動の一部を再開し始めてから2週間以上が経過した。今では大半の州が規制の一部を緩和したが、米メディアによると、再開を受けて感染者が爆発的に増えた州はなく、感染者の増減の傾向も州ごとにばらつきがある。州や自治体は手探り状態で再開を段階的に進めているが、再開による感染拡大への影響はまだ明確には見えていない。影響が出るまでに数週間以上かかる可能性も指摘されている。
 各州が経済再開に動きだしたのは4月下旬。「パッチワーク」(米メディア)のように州や自治体によって緩和の程度や検査数が異なっている。新規感染者について「14日間の減少傾向」などと規定した米政府の再開基準を満たさずに再開した州が多く、州が再開を認めても慎重な対応を取る事業者も少なくない。国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「手の付けられない感染拡大の引き金になりかねない」と警告する。
 再開を受け、ワシントン大の保健指標評価研究所(IHME)は4日、新型コロナによる8月までの米国の死者数をこれまでの倍近い13万4475人へと予測を上方修正した。携帯電話の位置情報を調べたメリーランド大の分析では、再開後に外出や州外への移動が増えていた。
 一方、CNNテレビの15日の分析によると、新規感染者が減少傾向にあるのは28州に上り、増加傾向にあるのは7州。15州は横ばいになり、爆発的な増加は見られない。
 減少傾向にある州の一つ南部ジョージア州は、4月24日に理容店やスポーツジム、同27日に飲食店の店内飲食の再開を認めた。全米の中でも早い段階から幅広い業種を再開したため、動向が注目されている。
 一方、増加傾向にあるのは5月1日に飲食店の店内飲食などを再開した南部テキサス州だ。同州では14日に1日の死者数として最多の58人が死亡した。
 減少している州も、傾向を今後も維持できるかは分からない。ジョンズ・ホプキンス大のタラ・カーク・セル博士はアトランティック誌に「うまくやって良い結果が出るまでには3~6週間かかる。今、適切に対処しない場合、逆の結果を見るまでにもしばらくかかる」と指摘している。 (C)時事通信社