新型コロナウイルス感染拡大の影響でテークアウトを始める飲食店が増えていることを受け、関係団体が食中毒への注意を呼び掛けている。食べるまでに時間を要するテークアウトは衛生管理がより重要とされており、専門家は「店側も消費者側も細心の注意を払ってほしい」と訴えている。
 アジア料理店をキッチンカーで営む東京都墨田区の男性(27)は、5月から同区で弁当販売を始めた。作り置きはせずに注文を受けてからキッチンで盛り付け、まな板は頻繁に洗浄・消毒するなど、食中毒が起きないよう神経をとがらせる。
 販売開始当初は衛生管理をより徹底するため、冷やした鶏肉をそのまま提供していたが、客から「冷たい」と言われ温めるようにした。男性は「衛生的で、かつおいしいものをどう作るか。バランスが難しい」と明かす。
 業務用青果を販売する「アネモス」(渋谷区)では4月、テークアウトを始める飲食店向けのチラシを作成。温度管理の徹底や生野菜をそのまま使用しないことなどを求めている。
 このチラシを利用し、国内外に店を構える和食料理店「ハルヤマシタ」は、周辺の飲食店と一緒に港区内でテークアウトを開始。弁当は冷蔵ケースで保冷し、購入した人が一目で分かるよう、原材料や消費期限などを記載したラベルも張り付けている。
 同店の山下春幸オーナーシェフ(50)は「目の前で出来たてを食べてもらう飲食店とテークアウトには違いがある」と話し、「飲食店の延長線上で始めると事故が起きるかもしれない」と警鐘を鳴らす。
 フードコンサルタントの永田雅乙氏は「飲食店の調理と弁当作りのノウハウは全く別物。食中毒が発生すれば、飲食店を応援しようという今の雰囲気に水を差しかねない」と懸念する。
 消費者に対しては、外気にされされている弁当は買わないことや、購入したら1時間以内に食べること、保管する場合はすぐ冷蔵庫に入れたり、保冷バックを活用したりするよう呼び掛けた。 (C)時事通信社