【ベルリン、台北、北京時事】世界保健機関(WHO)の年次総会が18日、2日間の日程でオンライン会議方式で開幕した。新型コロナウイルスをめぐり米国と中国の対立が激化する中、日本や欧州連合(EU)など60カ国超が、国際社会の対応を検証する「公平、独立、包括的」な調査を求める決議文を提出。WHOと米中両国も受け入れる姿勢を示し、調査が行われる見通しとなった。
 新型ウイルスをめぐっては、発生源や初動対応をめぐり、WHOや中国への批判が集中。政治的対立や陰謀論を排除した客観的な調査で、国際社会の亀裂修復を目指す。
 ただ、調査の実施時期については、EUなどが「早期実施」を求めたのに対し、中国の習近平国家主席は「流行収束後」と主張。時期や内容をめぐり今後の曲折も予想される。
 総会には、オンラインながら異例の数の首脳らが出席した。習主席は「WHOや各国に、非常に適時に情報を提供した」と強調。一方でアザー米厚生長官は「少なくとも一つの加盟国が、感染拡大を隠そうとした」と中国を批判。WHOについても「失敗で多くの命が犠牲になった」と非難した。ただ、両氏とも調査は支持すると述べた。
 WHOのテドロス事務局長も「提案を歓迎する。可能な限り早い適切な時期に調査を行う」と表明した。独仏や韓国、南アフリカの首脳は発言したが、トランプ米大統領の声明はなかった。
 もう一つの焦点だった台湾のオブザーバー参加は、WHOが招待状を送らず、実現しなかった。グアテマラなど台湾と国交がある一部の国が参加を求める提案を行ったが、WHOは総会で議論の先送りを決定した。台湾の呉※(※金ヘンにリットウ)燮外交部長(外相)は「中国の圧力にWHOは屈した」と批判、WHOに抗議文を送る姿勢を示した。テドロス氏は、演説で台湾に触れなかった。
 会議は本来ジュネーブの本部で4日間にわたり開催される予定だった。しかし、新型ウイルスの影響で2日に短縮され、議事も大幅に縮小された。 (C)時事通信社