【ロンドン時事】新型コロナウイルス感染阻止のための外出規制が徐々に緩和されつつある英国で、学校を再開すべきかどうか大きな議論になっている。政府は6月から小学校や保育施設を段階的に再開させる方針だが、児童・生徒や教員の安全を懸念する労組や親から反対の声も上がっている。
 英国は3月下旬から事実上の外出禁止下にあるが、感染率や死者数の低下を受け、先週から戸外の運動が無制限になるなど一部緩和策が取り入れられている。現在閉鎖中の学校についても、感染状況を見極めた上で、6月1日からイングランドの小学校を段階的に開校させる方針。保育園も同時期に再開、中等学校は9月になる見通しだ。
 学校をめぐっては「学業や進学への影響が大きい」として早期再開を求める意見がある。一方で、子供同士の接触により感染が広がる恐れも指摘される。
 教員労組「全国教育組合」は、安全面が保証されない中での再開は「無謀」と反対の立場。医師労組「英国医師会」も「第2波を招く恐れ」から政府の方針に異議を申し立てた。子供を持つ親からは「本当に安全なのか」「小さな子供に『社会的距離』を守らせるのは無理」と心配する声が聞かれる。
 ウィリアムソン教育相は16日の記者会見で「休校が長期化すればするほど子供たちは(教育の)機会を逃す。われわれには(教育提供の)義務がある」と学校再開に理解を求めた。政府は、既に学校を再開させたデンマークなどの例を参考にしつつ、「クラスを少人数のグループに分ける」「手洗いや清掃・消毒を徹底させる」などの安全対策を導入していく方針だ。 (C)時事通信社