政府は関西3府県の緊急事態宣言解除に続き、今後は首都圏と北海道での宣言解除を目指し、新型コロナウイルスへの警戒を呼び掛ける。しかし、大型連休明けからは各地で外出自粛など行動制限に「緩み」が指摘され、5月末で全面解除が実現できるかどうかは見通せない。宣言が続く地域での感染拡大防止に万全を期しつつ、状況の推移などを注視する考えだ。
 大阪と兵庫、京都はここ1週間で新規感染が抑えられ、解除を判断する目安である「直近1週間の10万人当たりの新規感染者が0.5人程度以下」を余裕でクリア。21日に宣言を解除する方向が早々に固まった。
 焦点となったのは、首都圏と北海道の扱い。東京都、神奈川県、北海道では目安を上回るものの、「欧米よりもはるかに感染を抑え込んでいる」(政府高官)として、大阪などと同時に全面解除する案が浮上。千葉、埼玉両県の部分解除も議論された。
 背景には、コロナ対策での活動自粛や休業要請により、「戦後最大の危機」(安倍晋三首相)に直面した経済の立て直しを急ぎたい焦りがある。政府内からは「今が解除の好機だ。再び感染状況が悪化したら身動きが取れなくなる」との声も上がっていた。
 政府は感染症専門家らの意見を踏まえ、今回は目安に従った部分解除にとどめる一方、今後は感染経路の特定状況などの要素を重ね合わせて考慮。感染状況の再評価を25日に前倒しした上で、「0.5人」の目安を達成できていない場合でも、解除を「総合的に判断」(政府関係者)することを検討している。
 ただ感染が再拡大に転じればこうした青写真も立ち消えとなる。首相は21日、記者団に対し、首都圏と北海道に向け「外出自粛などを継続してもらうようお願いする」と訴えた。 (C)時事通信社