新型コロナウイルスの感染拡大が収まり、緊急事態宣言が全面解除された。ただ、医療の専門家は、ほとんどの人がウイルスへの免疫を持っていない現状では、今後「第2波」が来る可能性が高いとみて警戒している。
 東京など大都市の新規感染者は、減りはしたものの残っている。感染報告ゼロの日が続いて一足先に宣言が解除された地域も、水面下で感染が続いている恐れがある。
 政府諮問委員会のメンバーの1人は、人と人の接触制限が緩めばすぐに拡大に転じる可能性があると分析し、「感染者数が増えるのが6月なのか、7月になるのかは分からない」と語る。感染が医療機関や介護施設に広がれば、短期間に多くの患者が見つかって医療提供体制が逼迫(ひっぱく)する事態につながり得るという。
 新型コロナウイルスには、夏に感染力が弱まり冬に強まる「季節性」があるとの見方も存在する。だが、米科学誌サイエンスに5月、ほとんどの人が免疫を持たない状態では、季節による影響はあるとしても弱く、ウイルスは急拡大するとの論文が掲載された。諮問委のメンバーは「夏にリスクが下がるとは思っていない」と話す。
 大橋順・東京大准教授(集団ゲノム学)も、季節性は強くなさそうだと指摘。「夏にいったん収束する可能性もあるが、その場合でも海外からの感染者の入国などをきっかけに、冬に再流行する恐れが大きい」と分析する。
 大橋准教授によると、流行規模を抑える対策を取る限り、人口の6割が感染して集団免疫が成立するまで10年かかる可能性がある。有力なワクチンの開発にも時間を要する。それまでは対策を緩めたり厳しくしたりを繰り返す生活を続ける必要があるという。 (C)時事通信社