新型コロナウイルスの緊急事態宣言が全面解除された。ただ、今後は夏休みも近づき、帰省や旅行を計画する人が増えることも見込まれる。「第2波」となる再度の感染拡大が懸念され、専門家は都市から地方への人の移動や外出の増加を警戒し、手洗いや洗顔を日常の習慣とするよう呼び掛けている。
 鹿児島大大学院の西順一郎教授(微生物学)は「比較的感染者が多い大都市部から地方へ人が流出することで、リスクが大きくなりかねない」と指摘。特にこれまでの発症例から家庭内感染が起きやすいとして、帰省先での食事会や懇親会など多数の人が集まる催しは控えるよう訴えた。
 また、介護福祉施設など高齢者が多く集まる場所では集団感染の危険性が常にあるとして、職員らの人繰りで余裕を確保する必要があると強調。「無理をしない社会の方が感染を抑えられるはずだ」と述べた。
 「油断してはいけない」と警戒を呼び掛けるのは近畿大の宮沢正顕教授(ウイルス感染免疫学)。外出する人が増えれば飛沫(ひまつ)や接触によって感染するリスクが大きくなるため、デパートや通勤電車、エレベーターなどの密閉空間では他人との距離を取り、それぞれ違う方向に顔を向けるなどの工夫が必要だと指摘した。
 テーブルの表面やドアノブなど、多くの人が触れる可能性がある場所は小まめに消毒し、帰宅後は手洗いや洗顔を習慣付けることで感染の可能性を下げられるとし、「今後、新型コロナ以外の感染症流行も起きるはず。対策を日常の生活に根付かせることは不可欠だ」と語った。 (C)時事通信社