キャンプ場などで使われる簡易設営のドームハウスが、医療用として脚光を浴びている。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、臨時診察室などに活用する病院が相次いでいるためだ。
 自動車用品メーカー、TCL(名古屋市)が昨年11月に売り出した「イージードームハウス」。広さは4畳半ほどで、高さは最大2.6メートルある。プラスチック製で洗浄消毒でき、分解して保管することも可能だ。
 新型コロナ対策で屋外の診察室を設けようとしていた山梨県甲州市の加田クリニックがこれに注目し、3月下旬に医療機関として初めて購入した。そこでTCLが医療用として売り出したところ、病院などからの問い合わせが殺到。基本価格85万8000円と値は張るが、既に東京都内の総合病院などに35基を納入した。
 同クリニックではハウス内に机や診察ベッドなどを配置。県外からの来院者や、待合室への入室に不安を持つ患者らの診察に利用している。室内は医師と患者の間にアクリル板を設置するなど感染予防を徹底。加田顕秀院長は「患者さんが安心して来院できる環境をつくりたい」と話す。
 レジャーや災害時の仮設住居向けに開発したもののため、TCLは納入先から助言を受けながら、出入り口を2カ所に増やすなど医療用としての使い勝手を高めたい考えだ。
 ほかでも、テント構造物を手掛ける太陽工業(大阪)のグループ会社TSP太陽(東京)は、PCR検査用にテントや車両を使った検査ブースなどの販売・貸し出しを開始。千葉県の鎌ケ谷市医師会などにワンボックスカーを利用した製品が採用された。 (C)時事通信社