【ロンドン時事】新型コロナウイルスの感染拡大に落ち着きも見られる中、英国など一部の国は特定の国・地域との間でお互いに旅行者の入国規制を緩和する「エア・ブリッジ」構想を検討し始めた。夏の休暇シーズンを控え、打撃を受けた観光産業を再興するのが狙い。各国は感染第2波のリスクを抑えつつ、旅行者を迎え入れる方法を模索している。
 日本を含む多くの国は外国からの旅行者に14日間程度の自主隔離を義務付けている。エア・ブリッジは新型コロナを制御できている国・地域同士が協定を結び、それぞれの旅行者の隔離を免除する仕組みだ。
 既にバルト3国のエストニア、ラトビア、リトアニアは5月15日から相互の往来を自由化した。感染拡大が収まっていない隣国ロシアなどからの訪問は引き続き制限しているが、エストニアのラタス首相は「正常化への大きな一歩だ」とツイッターで強調した。
 オーストラリアとニュージーランドも相互の観光再開に向けて協議を開始。英国は6月8日から一部を除く入国者全員の隔離措置を実施するが、シャップス運輸相は「エア・ブリッジのような、感染が収まった他国・地域の人々が訪英しやすくなる改善策を検討中だ」と明らかにしている。ロイター通信によると、英国はポルトガルと協議中だという。
 観光業界からも要望が強まっている。英メディアによれば、航空会社の最高経営責任者(CEO)らは連名でジョンソン英首相に書簡を送り、エア・ブリッジ構想の早期実現を訴えた。 (C)時事通信社