【ワシントン時事】トランプ米大統領は29日、ホワイトハウスで記者会見し、香港に認めてきた優遇措置を撤廃するため、手続きを開始すると表明した。中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が28日、香港に「国家安全法」を導入する方針を決めたことを強く批判した。
 米国は、香港の「高度な自治」を認めた「一国二制度」を前提に関税やビザ(査証)発給などで香港を優遇してきた。中国は今回、この「一国二制度」を「一国一制度」に置き換えたとして、トランプ氏は対抗措置に踏み切った。
 しかし、香港問題について中国は「いかなる外からの干渉も認めない」(王毅外相)と強い態度で臨んでいる。トランプ氏の方針に激しく反発するのは必至で、米中関係の一層の緊迫化は避け難い。世界経済を巻き込んだ混乱が警戒される。
 ただ、トランプ氏は優遇措置撤廃に向けた手続きの期間には触れなかった。国家安全法は正式に成立しておらず、中国側に見直しを迫る狙いもあるとみられる。中国がこうした点をどう判断するかも今後の焦点となる。
 トランプ氏はまた、新型コロナウイルスへの対応などをめぐって「中国寄り」と批判してきた世界保健機関(WHO)に対し、米国が求めてきた改革を行わなかったと指摘し「関係を断絶する」と断言、脱退の意向を表明した。WHOへの資金拠出を他の国際公衆衛生活動に振り向けるとも語った。 (C)時事通信社