梅雨や台風の季節を控え、避難所での新型コロナウイルス対策として、段ボールを使ったパーテーションやベッドが注目されている。手軽で使い捨てできる上、感染防止効果もあるとみられ、自治体が業界と災害時の優先供給協定を結ぶ動きも相次いでいる。
 自然災害で自治体が体育館などに設置する避難所は、密閉・密集・密接の「3密」になりがちだ。パーテーションで仕切ることで感染リスクを低減でき、プライバシーも確保できる。床に敷けば、冷え対策やクッション材としても利用できる。
 軽量で持ち運びに便利な段ボールベッドは、床に直接寝るのと比べて高さがあり、高齢者が寝起きしやすい。飛沫(ひまつ)がほこりに付着し床に滞留すれば、感染リスクも高まるため、高知県立大学看護学部の神原咲子教授は「看護の視点からケアする時、ベッドに高さがあるのが望ましい。感染予防にもなる」と効果を期待する。
 全国段ボール工業組合連合会によると、段ボールベッドは東日本大震災時の避難所で有用性が確認され、その後は必要不可欠な支援物資となったという。段ボール大手の王子コンテナー札幌工場担当者は「災害だけでなく、コロナ対策にも役立ててほしい。段ボールは安価で組み立てやすく、環境にも優しい」とアピールする。
 こうした利点に自治体も着目。災害発生時に段ボールベッドなどを優先的に製造、供給するため、業界団体が道府県などと締結した防災協定は3月時点で52に上る。
 自治体がメーカーと個別に協定を結ぶケースも多い。大手レンゴーは42、王子コンテナーは53の自治体と協定を締結した。王子コンテナー企画業務本部の三戸部公郎副本部長は「大きな自然災害は毎年起きており、自治体に危機管理の意識が高まっている表れだ」と見ている。 (C)時事通信社