新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の全面解除から1週間を迎えた1日、東京都内では席の間隔を空けるなど「新しい生活様式」を取り入れた図書館や映画館が営業を再開。オフィス街では久しぶりに出社した人がランチタイムを楽しんだ。長い自粛生活を経て、「新たな日常」が少しずつ動きだした。
 約3カ月ぶりの再開となった都立中央図書館(港区)は、事前予約制を採り、2時間ごとに利用者を入れ替えた。養蚕業の歴史の本などを手にした千葉大大学院生の矢沢優理子さん(28)=東村山市=は「大学の図書館も閉まり、論文を書くのに困っていた。再開を知ってすぐに予約した」とうれしそうに話した。
 大手町のオフィス街ではランチタイムに、複合ビル前のキッチンカーに列ができた。約2カ月ぶりの出社という不動産会社勤務の女性(27)=世田谷区=は、「店での食事には若干不安がある」と話し、同僚とハワイ料理の弁当を購入した。
 JR新橋前では午後5時すぎから仕事を終えた人が続々と家路に就いた。IT企業の男性(53)は「久しぶりに出社したが、疲れただけ。テレワークの方がはるかに効率的だ」と継続を希望。初出勤を終えたホテル業の男性新入社員(21)は「ずっと自宅待機で、社会人になった実感がなかった。配属先も言われ、緊張とわくわくでいっぱいです」と真新しいスーツ姿で目を輝かせた。
 53日ぶりに営業再開した渋谷区のミニシアター「ユーロスペース」は、間隔を空けるため、前後左右1席を空けてチケットを販売。午後6時半の回は全席が売り切れた。
 同シアターに通って21年になるという練馬区の浅野至喜さん(81)は「ビデオじゃなくて、やっぱり映画館がいいね」と笑顔。相模原市のアルバイト女性(66)は「暗闇の中で他の人の息遣いを感じながら同じ空間で見る映画は、やっぱり違う」と再開を喜んだ。
 立川市の国営昭和記念公園は、あいにくの小雨で人影はまばらだった。飼い犬2匹と訪れた同市の自営業の男性(48)は「外出自粛中に犬が太ってしまった」と苦笑。「2カ月ぶりに来た。一日のルーティンがやっと戻ってきた」と話した。 (C)時事通信社